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第二回コラム

ハリジャンぴらのさんのコラム


いやあ先週のアレ、楽しかった! やっぱりflash最高っす。
あんまり楽しすぎて帰ってきてから熱を出しました。
そして寝込みながらも投下される上映作を保存していました。
ファミコンの人は死ぬまでマウスを離しませんでした。
そんな感じで今週は文章系の定義のお話。

文章系という分類はもう何度も何度も言われていることだけど、はなはだ曖昧だ。
どうして曖昧かというと、その定義がないから。
他のジャンルが、アニメ、AS等の手法上での分類であったり、
PVのような作られた目的での分類であったりと、
その作品にそのジャンル名がつく理由が存在するのと違って、
文章系には文章系である理由がない。
言ってしまえば文章系と名付けられた作品には文章系と呼ばれる必然性がないのだ。
文章系と呼んでも良いし呼ばなくても良い、それが文章系の作品ってことになってしまう。
もっとぶっちゃけてしまえば作った人間が「文章系である」と宣言する以外に
この分類はなりたたないってことでもある。
つまり文章系というジャンルは作者の自己申告のジャンルということになる。
よくよく考えたらこの名称は2ch系flashでしか存在しない。
文章系ショートフィルムとか文章系映画とか訊いたことがない。
なんて不思議なジャンルでしょう。
しかしそれでは文章系flashと呼ばれる作品群、
およびその制作者が胡乱なものかというと、そんなことはないわけで、
むしろ個性派がそろう興味深いジャンルだったりする。
文章系という分類は胡乱かもしれないが、文章系とよばれる作品は存在するのだ。
じゃあ「文章系が文章系たる理由ってなんぞや」と問われたらどう答えるか?
そりゃ「文章がメインディッシュなflash」としかいいようがない。
テキストだけを抜き出して読んだとしても鑑賞に耐える文章、
テキストそのものに力があるflash、それが真の文章系なんじゃないんでしょうかね。
自分自身が公共料金信者なので公共料金さんを例に出して言うと(ほら、そこひかない)
彼女の作品でなにが一番肝かというと、やっぱりあの特徴的な文章にあるわけで、
あのワンアンドオンリーな文体なしにはあの独特な世界観や作風は生まれて来ない。
これは他の文章系の代表的な職人さんにも言える。文章系と呼ばれる人は
力のあるテキストを作品に盛り込んでいる人々と言う事もできるんじゃないだろうか。
Flashにおいては素材の一つでしかないテキストだけど、
それ一つだけでも十分に豊かな表現力を秘めている。
自己申告以外に定義のないジャンルですが、
今回の文芸祭に参加される方々、ここは一つ、
読みごたえのある魂こめたテキストを作品に埋め込んで貰いたいと思いますです。

……とflash弄ったこともないテキスト屋が言ってました。
「偉そうなこというな」とか石投げないで。
by bungeisai | 2005-10-02 23:43 | 第二回コラム


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